Last update:2014/9/11
Fashion of the 20th century.
20世紀の初頭のファッション-コルセットからの開放、女性ファッションの変化-
†コルセット
20世紀初頭、ファッションは大きな転換期を迎えました。それは、コルセットからの開放です。
20世紀初頭までのファッションはコルセットを使用し、ウエストから上半身を極度に細く絞り、下半身は針金を輪状にして重ねたクリノリンという骨組みを使用し、スカートを大きく膨らませるというスタイルが主流でした。
オートクチュールが始まった際、ファッション業界のシステムは大きく変わりましたが、このスタイルとシルエットの主流は変わらなかったのです。
†コルセットからの開放
シルエットを支配していたコルセットを外すファッションを提案したのはポール・ポワレです。
ポワレはウエストの位置を上げ、緩やかなシルエットをファッション業界に打ち出しました。高いウエストの位置から布をドレープさせ、布の曲線の美しさを表現したのです。
ほぼ同時期、ポワレの他にも、マドレーヌ・ヴィオネといった女性デザイナーもコルセットを外すデザインを提案します。
このようなコルセットを外す動きの背景には、時代の変化、女性の活動範囲が広がったこと、スポーツなどレジャーなどが普及し始めたことがあるそうです。
しかし、ポアレのコルセットを外すスタイルは、すぐに普及していくわけではありません。ポワレの服が注目を集めたのは、当時の有名女優がポワレの服を気に入り、積極的に身に着けるようになったことがきっかけだと言われています。
コルセットの代わりとして、体型をきれいに見せるものとして、ブラジャーが登場するのもこの時期です。
ポワレがコルセットのないドレスを打ち出し始めた頃、彼はシャルル・フレデリック・ウォルトのメゾンで働いていました。しかし、メゾンからはポワレのスタイルは美しくないと判断され、メゾンから追い出されてしうのです。
その後、ポアレは自身のやり方を貫くために独立します。そしてかつてポワレがいたウォルトのメゾンは時代からとり残され、徐々に衰退していきます。
†オリエンタリズム
オリエンタリズムは中国、インドなど「欧州から東方」をひとまとめにして、工芸品、美術、文学など様々な文化を欧州のものに取り入れる動きで、西ヨーロッパにはない異文明の物事・風俗に対して抱かれた憧れや好奇心を意味します。
これは20世紀に始まった動きではなく、それ以前もオリエンタリズムは存在していました。
20世紀初頭にオリエンタリズムの動きが再度起こったのは、ロンドン、パリなどで開催された万博の影響、ボヘミアン運動などの影響が大きかったと言われています。西洋の文化やファッションなどと比べ、西洋にはない珍しさ、エキゾチックな雰囲気が当時の人々を魅了したと言われています。
このような20世紀初頭のシーンは映画「ムーランルージュ」などでも見ることができます。
このようなオリエンタリズムの動きの中心にいたのが、バレエのニジンスキー、ファッションではポール・ポワレなのです。
ポワレはインド、中東、中国、東ヨーロッパの服飾の要素、西洋絵画、古典ファッションまでを取り入れたデザインを打ち出し、代表的なものに中国に影響を受けた「孔子コート」、ペルシャに影響を受けた裾広がりのチュニック「ソルベ」などがあります。
†コルセットからの開放とオリエント
コルセットは体を締め付けること、抑制するもので、禁欲的な倫理観を表現したものであり、オリエント的なエロティシズムとは正反対の存在でした。
体のラインが見えるようなデザインなどの、オリエントの要素を取り入れた表現は、エロティシズムの一種の表現だったのです。
また、オリエンタリズムが、インド、イスラム圏、中国の文化を正確に表現したものではない、ということは覚えておかなければなりません。
欧州から見ると、オリエントは全く違う文化「珍しい」「野蛮」「エロス」「独裁」といったイメージがあり、ある種、芸術家のイマジネーションから生まれたものといえます。
それにファッションも例外なく当てはまり、オリエントの文化をそのまま取り入れた訳ではなく、インスピレーションとなる対象だったのです。
†コルセットからの解放とファッション
コルセットからの開放は、女性の体を開放するものではなく、新しい美学への表現としていたという指摘があります。
ポワレ自身は自伝にて「女性を解放した」と述べていますが、実際にコルセットを取り除いたのはオリエントの要素で、美学をファッションに取り入れるために起こったものなのだという主張です。通販で購入してひとつ持っているとコーディネートにアクセントになりそうですね!!
ファッションの幅が広がった今の時代では様々なファッションがそこら中にあります。インターネットで洋服を選べる時代ですので色々と見てみると良いでしょう
Valuable information
Last update:2024/1/15