最終更新日:2014/9/11
Fashion in the 30's.
30年代のファッション。
†アートとファッションの融合
ファッションとアートの融合を考え、アートをファッションに取り込もうとする動きは、すでに19世紀頃から存在はしていました。
中世芸術、未来派、前衛芸術家グループの影響を受け、服飾にアートを取り込むという動きです。
アートの要素を取り入れたスタイルはパリのオートクチュールのエレガンスを追求したものとはやや異なるもので、貴族やブルジョワを中心に回るファッション業界を少々冷笑的に捉えるものでした。
前衛芸術グループは、対象をブルジョワジーなどの高所得層に置いているわけでもなく、一般層に置くわけでもなかったため、広く受け入れられるものではなかったのです。
†機能的で、シンプル
30年代は、1929年にアメリカで起こった世界恐慌の煽りを受け、世界的に不況の状況の中、パリのモードも大きく売上げを落としました。ヒトラーが台頭してきたのもこの時代です。
ちなみにパリのモードは停滞しますが、アメリカの裕福層はそれほど打撃を受けることなく、ファッション界におけるメゾンの生き残りはアメリカの裕福層をいかに押さえられるか、という点がカギになっていました。
30年代のスタイルを振り返ると、大衆消費の流れの中、シャネルがよりスポーティなファッションを打ち出し、クレアマッカーデルがより実用的なアメリカンスタイルを展開していました。
そして、ファッションはより機能的でシンプルな方向に進んでいきます。
このように主流がある中で、一際目立ち、目新しかったのが前衛芸術をファッションデザインに取り込もうとした、エルザ・スキャパレリなのです。
†シュールレアリズム
エルザ・スキャパレリは、シュールレアリズムを中心とする、ロシアンアバンギャルド、キュービズムなどの影響を受けていました。
シュールレアリズム(超現実主義)は芸術の形態で、「ものすごく過剰なまでに現実」というような意味を表します。芸術運動としてのシュールレアリズムの始まりは、シュールレアリズム宣言が発せられた1924年、あるいはその少し前からと言われており、代表的な芸術家はサルバドール・ダリ、ルネ・マグリットなどです。
スキャパレリはダリとのコラボレーションを行い、世間から大きな話題となりました。例をあげていくと、「かぶる帽子」ではなく、「履く帽子」を表現した靴帽子、引き裂かれたプリントのドレス、ロブスターが描かれたドレスなど、日常的なものを、非日常で表現するという試みを行ったのです。
スキャパレリのファッションは批判も浴びますが、目新しさや、新しい分野へ積極的に挑戦しているその姿勢からアメリカの女性に受け入れられていきました。
ワンピースやスーツもファッションだけでなくアートとして考えてデザインされている物もありますよね。ワンピースやスーツは地味な印象があったけど、アートを取り入れる事によってワンピースもスーツもファッションとして活かせるようになったのではないでしょうか。
†その後の影響
スキャパレリのような試みを行ったことで有名なところは、イヴ・サンローラン、ジャン・ポール・ゴルチエ、トムフォードによるグッチのコレクションなどがあります。
イヴサンローランはエルザの目と題された大きな目のプリントが施されたジャケットを発表しましたし、トムフォードは現代の性的な解放を比喩したデザインを発表しました。
本来、服の中に隠されているはずの胸をジャケット(オッパイジャケット)にしたり、男性、女性の性器を連想させるデザインを展開し、話題を呼びました。
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